退職後の社会保険はどうなる?~任意継続・国民健康保険・被扶養者・年金免除まで完全解説~


飲食業で働く方から、退職時・退職後に最も多い相談は次の3つです。

  • 「健康保険はどうすればいい?」
  • 「国民健康保険が高すぎる…」
  • 「年金、失業中は払わなくていいの?」

実は、退職後の社会保険は選択肢を間違えると、1年間で数十万円の差が生じます。
特に飲食業は、残業・深夜手当で報酬月額が高くなりやすい、収入の波が激しい、転職・一時的失業が多いという特徴があり、制度理解なしに手続きすると失敗しやすい業界です。


退職すると社会保険はどう変わる?

会社を退職すると、以下の資格を失います。

  • 健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)
  • 厚生年金保険

👉 退職日の翌日から無保険はNG
👉 必ず「何かの制度」に加入する必要があります。


退職後の健康保険は「3つの選択肢」

退職後の健康保険は、次の3つから選びます。

1️⃣ 任意継続健康被保険者
2️⃣ 国民健康保険
3️⃣ 親、配偶者などの「被扶養者」になる

※多くの方が③を見落としています。


任意継続健康被保険者制度

制度概要

退職後も、会社在職時の健康保険を最長2年間継続できる制度。

要件

  • 資格喪失日まで 継続して2か月以上被保険者
  • 資格喪失日から 20日以内に申請

※1日でも遅れると不可(実務上、非常に多い失敗)

保険料

  • 在職時の 約2倍
  • 会社負担がなくなるため全額自己負担

飲食業の注意点

  • 深夜・残業が多い人ほど高額
  • 月額4~6万円になるケースも

国民健康保険

制度概要

市区町村が運営する健康保険。

特徴

  • 前年所得ベースで保険料算定
  • 扶養制度なし(家族全員分の保険料)

飲食業あるある

  • 繁忙期に稼いだ翌年、失業中でも高額請求
  • 「収入ゼロなのに月5万円以上」という相談が多発

減免制度

  • 失業・倒産・解雇等で保険料軽減
  • 申請主義(知らないと損)

【重要追加】親・配偶者の被扶養者になる選択肢

被扶養者とは?

健康保険に加入している家族(親・配偶者・子など)の「被扶養者」として保険に入る方法です。

👉 保険料の自己負担はゼロ


被扶養者の主な要件(協会けんぽ基準)

  • 年収見込み 130万円未満
  • 被保険者の収入の 2分の1未満
  • 同一世帯 or 生計維持関係あり

飲食業で多いケース

  • 配偶者が会社員
  • 実家に戻り、親が会社員・公務員
  • 一時的な失業・転職期間

👉 この場合、国保や任意継続より圧倒的に有利


失業給付と被扶養者の関係

  • 基本手当日額 3,612円以下 → 原則OK
  • 超える場合 → 被扶養者不可(実務判断あり)

※健康保険組合ごとに運用差あり


3つの健康保険の比較まとめ

項目任意継続国民健康保険被扶養者
保険料高い所得次第0円
扶養ありなし
期限2年なし条件次第
手続期限厳格比較的柔軟早めが安心

👉 最優先で検討すべきは「被扶養者」


退職後の年金|国民年金への切替

退職後は、厚生年金 → 国民年金(第1号)へ。

保険料

  • 月額 約17,000円(年度改定あり)

失業中は国民年金の免除・猶予制度が使える

主な制度

  • 全額免除
  • 一部免除
  • 納付猶予(50歳未満)

ポイント

  • 離職票があれば、前年所得が高くても対象
  • 未納と免除は全く別

免除のメリット・デメリット

メリット

  • 金銭負担軽減
  • 将来の受給資格期間に算入

デメリット

  • 年金額は減少(※追納可)

Q&A

Q1:退職翌日から何もしないと?

👉 無保険状態。医療費10割負担。

Q2:任意継続と国保、途中変更できる?

👉 原則不可(例外あり)

Q3:被扶養者はいつまで?

👉 収入条件を超えるまで

Q4:アルバイトを少しする予定でも被扶養者になれる?

👉 年収見込み次第。

Q5:年金免除をすると将来もらえなくなる?

👉 もらえるが減額されます。追納で回復可能


判例・行政通達

行政通達

厚生労働省「被扶養者認定基準」通知
→ 年収見込み・生計維持の考え方を明示

判例

被扶養者該当性を巡る不支給処分取消請求事件
→ 形式的収入ではなく実態判断が重要と判示


飲食業専門社労士からの実務アドバイス

  • 退職前に必ずシミュレーション
  • 被扶養者になれるか最優先確認
  • 申請期限は「日単位」で管理
  • 年金は「未納」にしない

当事務所のサポート案内

当事務所では、飲食業に特化して、以下のサポートを行っています。

  • 退職後の健康保険シミュレーション
  • 被扶養者該当性チェック
  • 年金免除申請サポート
  • 退職前の制度整理

退職後の社会保険は、知らないと損選び方で数十万円差飲食業は特に注意が必要です。
退職・転職・独立前に、ぜひ一度専門家に確認してください。

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