異動命令を拒否して欠勤→解雇は無効?裁判で会社が「約2年分の給料」を支払うことになった理由


「異動に納得できない…」
「拒否したら解雇されるのでは?」

飲食業の現場でも非常に多い相談です。

今回紹介する裁判例では、 異動命令を拒否→欠勤を継続→懲戒解雇という流れになりましたが、結論として解雇は無効(会社が約1年10か月分の給与支払い)となりました。

なぜここまで会社が負けたのか?

飲食業の実務に落とし込んで、わかりやすく解説します。


事件のポイント

この裁判の本質はシンプルです。

✔ポイント3つ

  • 出勤停止処分 → 無効
  • 異動命令 → 無効
  • 懲戒解雇 → 無効

つまり、すべての前提が崩れました

結果として、欠勤=正当、解雇=違法となりました。


出勤停止処分が無効になった理由

会社は3つの理由を挙げて処分しました。

・発熱時対応

→ 実際は指示に従っていた

・同僚への発言

→ 事実認定されず

・シフト表撮影

→ 証拠なし


■重要ポイント

飲食店でもよくあるのが、「聞いた話」、「店長の印象」で処分してしまうケース

しかし裁判では、 客観証拠がないとNG


■証拠の落とし穴

会社は陳述書を提出しましたが、「法廷で証言していない」、「信用性が低い」と判断されました。


✔実務アドバイス

飲食業では必須です👇

  • 指導記録を残す
  • 注意は書面化
  • 防犯カメラの活用
  • LINEやチャット履歴保存

異動命令が無効になった理由

ここが最大のポイントです。

裁判所の判断:「異動の根拠規定がない」


■つまりどういうことか?

会社は、「異動させる権利がそもそも無かった」


■飲食業でよくあるNG例

  • 就業規則に異動規定なし
  • 雇用契約書に記載なし
  • 勤務地限定なのに異動命令

✔結論

👉 規定がなければ異動はできない


■さらに重要な視点

仮に規定があっても、不当な異動は無効


不当と判断される例

  • 嫌がらせ目的
  • 退職させる意図
  • 合理的理由なし

懲戒解雇が無効になった理由

会社の主張:無断欠勤だから解雇

裁判所の判断:無断欠勤ではない


■なぜか?

👉 異動命令が無効だから

つまり、欠勤には正当理由あり


✔ここが超重要

👉 前提が違法なら、その後も全部違法


■バックペイ(約1年10か月)とは?

今回の会社は、解雇期間中の給与を全額支払い


■金額イメージ

例えば月20万円なら、約400万円近い支払い


■飲食業へのインパクト

  • 小規模店舗なら致命傷
  • キャッシュフロー崩壊リスク

■飲食業でよくある「危険な対応」

❌よくある失敗

  • 気に入らないから異動
  • トラブル社員を飛ばす
  • 曖昧な理由で懲戒
  • 証拠なしで処分

■社労士としての結論

✔絶対に押さえるべき3点

① 就業規則の整備
② 証拠の蓄積
③ 懲戒の段階的運用


■当事務所からの実務アドバイス

●異動命令を出す前に

  • 就業規則確認
  • 労働契約確認
  • 理由の合理性チェック

●懲戒前に

  • 証拠はあるか?
  • 他の処分は検討したか?
  • 比例原則は守っているか?

●飲食業特有の注意点

  • 感情的判断が多い
  • 人手不足で強引な配置
  • 店長裁量が強すぎる

👉 ここがトラブルの原因です


■まとめ

今回の裁判の教訓

👉 異動は「自由」ではない
👉 解雇は「最後の手段」
👉 証拠なき処分は負ける


飲食業の労務トラブル、増えています。

  • 問題社員対応
  • 異動・配置転換
  • 解雇リスク
  • 就業規則の見直し

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