2026年4月から社会保険が変わる!健康保険料率改定と「子育て支援金制度」
2026年春は、社会保険制度に関する重要な変更が続きます。
主なポイントは次の3つです。
✔健康保険料率の改定
✔介護保険料率の改定
✔子育て支援金制度の開始
これらはすべて、給与計算や社会保険料控除額に直接影響します。
特に2026年4月からスタートする子育て支援金制度は、新しい制度のため、多くの企業で理解が進んでいません。
目次
健康保険料率の改定(3月分保険料から)
まず最初に変更されるのが健康保険料率です。
中小企業の多くが加入しているのが全国健康保険協会(協会けんぽ)です。
協会けんぽでは、医療費の状況などを踏まえ、毎年3月分から保険料率を改定しています。
健康保険料率は都道府県ごとに異なる
健康保険料率は全国一律ではありません。
都道府県ごとに料率が設定されています。
つまり、東京、大阪、福岡、北海道などで、それぞれ保険料率が異なります。
これは、医療費水準、加入者年齢構成などが地域ごとに異なるためです。
東京都の健康保険料率(具体例)
飲食店が多い東京都を例に見てみましょう。
2025年度 9.91% 2026年度 9.85%
つまり、0.06%引き下げとなりました。
実際の会社と従業員の負担
健康保険料は会社と従業員で折半となります。
東京都の場合、健康保険料率 9.85%
会社負担、従業員負担それぞれ4.425%となります。
健康保険料率変更の適用タイミング
重要なのはいつの給与から変わるのかです。
健康保険料率は3月分保険料から変更になります。
保険料の納付は、翌月末ですので、多くの会社では4月支給の給与からの控除になります。
介護保険料率の改定
次に変更されるのが介護保険料率です。
介護保険料は、40歳以上65歳未満の被保険者が対象になります。
介護保険料率(全国共通)
介護保険料率は全国一律です。
2025年度 1.59% 2026年度 1.62%
つまり、0.03%引き上げとなっています。
実際の負担
介護保険料も会社と従業員で折半です。
介護保険料 1.62%
会社負担、従業員負担それぞれ0.81%となります。
2026年最大の変更「子育て支援金制度」
2026年からスタートする新制度が子育て支援金制度です。
この制度は医療保険料に上乗せして徴収されます。
子育て支援金制度の目的
制度の目的は、少子化対策の財源確保です。
日本では少子化が急速に進んでおり、児童手当拡充、保育支援、育児支援などの政策が拡充されています。
この財源として導入されたのが子育て支援金制度です。
この制度は、こども家庭庁が中心となって進めています。
制度開始時期
子育て支援金制度は、2026年4月分保険料から開始されます。
つまり多くの企業では5月給与から控除となります。
子育て支援金の対象者
対象者は基本的に、医療保険加入者です。
つまり、健康保険、共済組合、国民健康保険などの加入者です。
会社員の場合は、健康保険料と一緒に徴収されます。
子育て支援金の計算方法
基本的な計算方法は、標準報酬月額 × 支援金率です。
つまり、標準報酬月額を基準に計算されます。
標準報酬月額とは
標準報酬月額とは、社会保険料を計算するための等級です。
例えば
給与 29万円の場合、標準報酬月額 30万円の等級になります。
会社と従業員の負担
子育て支援金制度は、健康保険と同じく会社と従業員で折半となります。
つまり、会社負担、従業員負担それぞれに発生します。
給与明細への表示方法
実務上、非常に重要なのが給与明細の表示方法です。
主に次の2つの方法があります。
方法① 健康保険料に含める
健康保険料に含めて表示
例
健康保険
○○円
ただし、この場合従業員が気づきにくいという問題があります。
方法② 子育て支援金として表示(おすすめ)
おすすめはこちらです。
例
健康保険
○○円
子育て支援金
○○円
制度が分かりやすくなるため従業員説明にも有効です。
賞与にもかかる?
結論は、賞与にもかかります。
つまり、賞与支給時も子育て支援金が控除されます。
飲食業が特に注意すべきポイント
飲食店では、アルバイト、パートが多いため注意が必要です。
社会保険加入者の増加
社会保険の適用拡大により、パートでも社会保険加入者が増えています。
つまり、子育て支援金の対象者も増えます。子育て支援金の対象者も増えます。
人件費の上昇
子育て支援金は、会社負担も発生します。
つまり、健康保険、厚生年金、子育て支援金などにより人件費がさらに増える可能性があります。
給与計算担当者のチェックリスト
2026年春の対応
□健康保険料率変更
□介護保険料率変更
□給与ソフト更新
□子育て支援金制度対応
□給与明細表示確認
□従業員説明
社労士からのアドバイス
2026年春は、給与計算ミスが最も多い時期です。
特に多いミスは、料率変更忘れ、控除開始月ミス、給与ソフト未更新、賞与計算ミスなどです。
飲食店は、アルバイト、パート、シフト制などにより給与計算が複雑になりやすい業種です。
早めの確認をおすすめします。
飲食店の労務相談はこちら
当事務所では、飲食業専門の社会保険労務士として以下のサポートしています。
・給与計算代行
・社会保険手続き
・労務相談
・労基署対応
・就業規則作成
飲食店の労務管理でお困りの方は問い合わせフォーム から、お気軽にご相談ください。

