後任未選任で送検|数カ月「衛生管理者不在」は違法です― 京都南労基署が書類送検 ―

2026年1月9日、労働新聞ニュースで報じられた事案が、すべての事業場、とくに飲食業にとって他人事ではない内容として注目されています。

京都南労働基準監督署は、適切な人数の衛生管理者を選任していなかったとして、学校法人京都文教学園と同法人事務局長を、労働安全衛生法第12条(衛生管理者の選任)違反の疑いで、京都地方検察庁に書類送検しました。

問題となったのは、👉 衛生管理者が退職した後、数カ月間、後任を選任しなかったこと


衛生管理者とは?

衛生管理者は「努力義務」ではありません

衛生管理者の選任は、労働安全衛生法で定められた「義務」です。

<事業場で常時使用する労働者数>

  • 50人以上 → 衛生管理者の選任が必須
  • 人数に応じて 1人以上〜複数人 必要

❌ 忙しかった
❌ 適任者がいなかった
❌ すぐには資格が取れない

これらは 一切、言い訳になりません


今回の送検事案のポイント

なぜ「数カ月」でも送検されたのか?

今回の事案では、衛生管理者が退職、後任を選任しないまま数カ月放置しその状態で事業を継続していました。

労基署はこれを、「一時的な不在」ではなく明確な法令違反状態と判断しています。


衛生管理者は「国家資格」

ここが実務上、非常に重要なポイントです。

衛生管理者試験はすぐ取れません

衛生管理者は、第一種衛生管理者、第二種衛生管理者などの 国家資格が必要です。

試験申込み、 試験日、 合格発表まで含めると、取得まで数カ月かかることが一般的です。


だからこそ「事前準備」が必須

今回の事件が示している最大の教訓はこれです。

「辞めてから探す」では遅い

実務上、必ず行うべき対応

  • 現任の衛生管理者が在籍しているうちに
  • 複数名を候補者として育成
  • 衛生管理者試験を受験させる
  • 有資格者を「予備」として確保

これを怠ると、退職=即、法令違反になります。


飲食業こそ要注意な理由

飲食業は、従業員数が増えやすい、アルバイト・パート比率が高い、離職率が比較的高いという特徴があります。

気づいたら「50人超え」

  • 正社員+パート+アルバイト
  • 繁忙期だけ人数増加

気づいた時には選任義務発生、 でも資格者がいない…これは、飲食店でよくある相談です。


「知らなかった」は通用しません

労働安全衛生法違反は、是正勧告、指導、それでも改善しなければ 送検という流れになります。

今回のように、「後任がいなかっただけ」、「悪意はなかった」という事情は、送検の有無に影響しないのが実情です。


当事務所からのアドバイス

衛生管理者は「人」ではなく「体制」で考える

✔ 衛生管理者を1人に依存しない
✔ 退職・休職を想定して複数名確保
✔ 人数増減を定期的にチェック
✔ 法改正・実務運用も含めて専門家に相談


このようなご相談が増えています

  • 衛生管理者が急に退職した
  • 50人を超えているか分からない
  • アルバイトは人数に入る?
  • 店舗ごとに必要?
  • 本社でまとめて選任できる?

👉 すべて個別判断が必要です


  • 飲食業に特化した労務管理
  • 衛生管理者の選任・体制構築
  • 労基署対応・是正指導サポート

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