【2026年最新】協会けんぽ保険料率が9.9%へ引下げ|34年ぶりの改定

2026年1月8日、労働新聞の報道により、協会けんぽ(全国健康保険協会)の令和8年度平均保険料率が9.9%に引き下げられることが明らかになりました。
現行の 10.0%から0.1%の引下げで、平成4年度以来、実に34年ぶりの引下げです。


協会けんぽ平均保険料率が9.9%へ|何が変わる?

◆ 改定のポイント

  • 全国平均保険料率
    10.0% → 9.9%
  • 引下げ幅:0.1%
  • 引下げは34年ぶり
  • 被保険者1人あたり
    年間約4,000円(労使合計)の負担減

健康保険料は 会社と従業員が折半で負担しますので、事業主・従業員それぞれにとって、年間約2,000円ずつの軽減となります。


なぜ今、保険料率が引き下げられたのか?

今回の引下げの最大の理由は、賃上げによる保険料収入の増加です。

背景にある3つの要因

  1. 賃上げの進展
    • ベースアップ
    • 最低賃金の引上げ
    • 時給上昇による標準報酬月額の増加
  2. 被保険者数の増加
    • パート・アルバイトの社会保険加入拡大
    • 特定適用事業所の拡大
  3. 短期的な財政改善
    • 医療費の伸びよりも、保険料収入の伸びが一時的に上回った

これらを踏まえ、協会けんぽの運営委員会は、「一定の引下げは可能」と判断しました。


ただし安心は禁物|運営委員会でも懸念の声

今回の決定について、すべてが歓迎ムードというわけではありません

運営委員会では、慎重論 も出ています。

  • 「経済成長と医療費増加にはタイムラグがある」
  • 「今後、高齢化により給付は確実に増える」
  • 「将来の急激な保険料引上げにつながらないか」

つまり、今回の引下げは「構造的な改善」ではなく一時的な財政余力によるものという点が重要です。


飲食店経営への影響は?実務目線で解説

◆ 影響① 人件費が“少しだけ”下がる

例えば、月給25万円の正社員の場合
年間の健康保険料(労使合計)
→ 約3,000~4,000円減

劇的なコスト削減ではありませんが、多店舗展開、正社員数が多い飲食チェーンでは、積み上げると無視できない金額になります。


◆ 影響② 従業員への説明が必要

給与明細を見る従業員から、「社会保険料が少し下がっている?」、「会社が何か変えたの?」と聞かれるケースが想定されます。

このとき、「協会けんぽの保険料率が国の決定で下がった」と 正しく説明できるか が、会社への信頼感にも影響します。


飲食店が勘違いしやすい3つの注意点

❌ 注意① 社会保険はもう安心?

いいえ。むしろ今後は上がる可能性も高い

医療費は中長期的に増加傾向です。
今回の引下げは「例外的」と考えるべきです。


❌ 注意② 社会保険料を下げるチャンス?

違法・脱法スキームは要注意

  • 役員報酬の不自然な引下げ
  • 実態と異なる勤務時間設定
  • 名ばかり個人事業主化

これらは 年金事務所調査で否認リスクが極めて高い です。


❌ 注意③ 従業員負担が減るから賃上げ不要?

人材確保の観点では逆効果

飲食業界では、賃上げ、社会保険完備、労働時間の透明性が 採用・定着の最低条件 になっています。


今こそ見直したい|飲食店の社会保険3点チェック

✅ チェック① 標準報酬月額は適正か

  • 昇給後も随時改定していない
  • 残業代・手当の扱いが曖昧

過不足の原因になります


✅ チェック② パート・アルバイトの加入基準

  • 週20時間超
  • 月額賃金8.8万円以上
  • 従業員数要件

未加入はリスク


✅ チェック③ 給与設計と社会保険のバランス

  • 手当の設計
  • 評価制度との連動
  • 将来の料率上昇耐性

専門家設計が必須


当事務所からのアドバイス

今回の保険料率引下げは、「よいニュース」ではありますが、経営判断を誤ると将来のリスクにもなります。

✔ 社会保険の適正加入
✔ 人件費と法令遵守の両立
✔ 採用に強い給与設計

これらを 飲食業特有の事情を踏まえて設計 することが重要です。


  • 社会保険の加入が正しいか不安
  • 人件費が重くて見直したい
  • 年金事務所調査が心配

という飲食店経営者さまは、お電話や  お問い合わせフォーム から、お気軽にご相談ください。