制服等に着替える時間は労働時間か?

イケア・ジャパンは、2023年9月1日から従業員の着替え時間を労働時間に含め、それに応じた賃金を支払う方針を示しました。
具体的には、着替え時間を出勤、退勤時に一律5分、1日あたり10分を労働時間に含めることにしました。
ここでは着替え時間が労働時間かどうかについて書いていきます。

労働時間とは

労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間です。
指揮命令下とは、具体的に業務の指示している時間だけでなく、黙認している時間も含みます。
具体的に業務を指示している時間とは、就業規則に記載してる始業時間、終業時間やシフト表で明示した始業時間、終業時間があたります。
また、業務上必要な行為の時間も労働時間に含まれます。

着替える時間は指揮命令下か

着替える時間が指揮命令下に置かれている時間であれば、労働時間になります。
それでは着替える時間はどんな場合でも労働時間でしょうか?

更衣室があって、そこで制服に着替えるように指示がある場合は、労働時間にあたります。
自宅から制服を着てきてもいいような場合は、労働時間にならない可能性がありますし、男性が私服で出勤してスーツに着替える場合は、労働時間にあたらないと思います。
また、エプロンをするだけのように1分もかからない着替え時間なら労働時間に含めなくてもいいと思います。

着替える時間は人によってまちまち

更衣室等で制服に着替えるよう指示して、労働時間とする場合、問題になるのが着替える時間が早い人もいれば遅い人もいます。
着替えながら身だしなみを整えることもあります。
単に着替え時間を労働時間とするだけでは、だらだら着替える人もいるかもしれません。

イケアのように出勤退勤時の着替え時間をそれぞれ5分とし、着替え時間分を通常の労働時間とは別に加算する方法をとっているようです。
わたしもこの方法が一番いい方法だと思います。
もちろん、どの会社でも5分とは限りません。
制服の種類によって着替えにかかる時間は違いますので、平均的な時間を従業員と話し合って納得できる時間に設定する必要があります。