【2026年最新】国保逃れは完全NGへ|役員でも社保加入できないケースと「医療費7割返還」リスク
2026年3月、厚生労働省が、いわゆる「国保逃れ」を是正する重要な通知を発出しました。
これまで一部で行われていた、 個人事業主が法人の役員になる、 社会保険(健康保険・厚生年金)に加入するというスキームに対し、「実態がなければ加入は認めない」という明確な基準が示されました。
さらに今回、実務上極めて重要なのが、 医療費(最大7割)の返還リスクです。
飲食業では業務委託や外部人材の活用が多く、この問題は他業種以上に影響があります。
目次
「国保逃れ」とは何か?
基本構造
本来、個人事業主は、国民健康保険、国民年金に加入します。
しかし一部では、以下のスキームが広がっていました。
👉 一般社団法人などの役員になる
👉 低額の役員報酬を設定
👉 社会保険に加入
なぜ行われていたのか?
社会保険は、会社と本人で保険料折半、報酬が低いと保険料も低いという仕組みのため、 年間数十万円の保険料削減が可能とされていました。
問題点
しかしこれは、 実態が伴わない場合、 「脱法的行為」と評価される可能性があります。
今回の通知のポイント
今回の通知で重要なのは、「形式ではなく実態で判断する」という点です。
社保加入が否認される典型例
以下のようなケースは原則NGとされました。
❌ ケース①:業務実態がない
・勉強会への参加
・アンケート回答
・情報共有のみ
👉 経営参画とは認められない
❌ ケース②:指揮監督していない
・従業員への指示なし
・決裁権なし
👉 名ばかり役員と判断
❌ ケース③:会費>役員報酬
👉 実質的に報酬がないと評価
判断基準(重要)
以下を総合判断
・経営関与の有無
・業務内容
・出勤頻度
・権限(決裁・指示)
・報酬の実態
飲食業で特に注意すべきケース
飲食業はこの問題と非常に相性が悪い業種です。
ケース①:業務委託シェフを役員化
👉 実態は外注
👉 名前だけ役員
→ 社保加入否認リスク大
ケース②:フリーランス店長
👉 店舗運営に関与
👉 しかし雇用関係が曖昧
→ グレーゾーン
ケース③:コミュニティ型法人
👉 会費を払って役員になる
👉 勉強会中心
→ ほぼNG
違反した場合のリスク(重要)
今回の改正で特に重いのがここです。
①社会保険資格の取消
👉 遡って無効
②保険料の遡及徴収
👉 数年分まとめて請求
③行政調査
👉 日本年金機構が調査
④医療費の返還(最重要)
見落とされがちですが、最もダメージが大きいのがこれです。
内容
本来加入資格がないのに、 健康保険を使って受診していた場合、その際に保険者が負担した 医療費の約7割を返還請求される可能性があります。
対象
代表的には、全国健康保険協会(協会けんぽ)健康保険組合 など
具体例
例えば、通院、入院、手術をしていた場合
👉 本来3割負担
👉 残り7割を保険者が負担
しかし資格が否認されると、 この7割部分の返還が必要
金額感
・軽度の通院 → 数万円〜数十万円
・入院・手術 → 100万円超もあり得る
ダブルパンチ
さらに、 保険料の追徴、 医療費返還が同時に発生
👉 数百万円規模になることも
今すぐやるべきチェック
チェックリスト
✔ 役員は実際に働いているか
✔ 指揮命令権があるか
✔ 決裁権があるか
✔ 報酬は業務対価か
✔ 会費スキームがないか
危険なサイン
・節税スキームとして勧誘された
・役員なのに業務がない
・報酬が極端に低い
👉 要注意です
社労士としての実務アドバイス
①「役員=社保OK」は誤り
今回の通知で明確に否定
②実態がすべて
👉 契約書より実態重視
③グレーは放置しない
👉 後からの負担が非常に大きい
④飲食業は特にリスクが高い
理由
・業務委託が多い
・人材不足
・柔軟な契約形態
よくある質問
Q.役員なら必ず社保?
→ NO(実態次第)
Q.低報酬でもOK?
→ 実態があれば可能だが慎重判断
Q.過去はどうなる?
→ 遡って否認の可能性あり
まとめ
今回の通知は、名ばかり役員の排除、実態重視への完全移行を意味します。
そして何より重要なのは、医療費7割返還という重大リスクです。
「保険料節約」のつもりが、数百万円の損失になる可能性があります。
「これ大丈夫?」の段階でOK
早めの相談が最大のリスク回避です
お困りのことは、問い合わせフォーム から、お気軽にご相談ください。

