在留資格「技術・人文知識・国際業務」と「特定技能」の違いとは?~飲食店が外国人を雇用する前に必ず知っておくべき実務ポイント~
目次
飲食業の外国人雇用、なぜ“在留資格”でトラブルが起きるのか
近年、飲食業界では深刻な人手不足を背景に、外国人スタッフの採用が当たり前になりつつあります。
その一方で、「在留資格の理解不足」によるトラブルや指導・不許可事例も急増しています。
特に相談が多いのが、技術・人文知識・国際業務(技人国)、特定技能(とくていぎのう)この2つの違いが分からないまま採用してしまい、「調理をさせたらダメだと言われた」、「更新が通らなかった」、「不法就労助長で是正勧告を受けた」といったケースです。
在留資格とは?まず押さえておくべき大前提
在留資格とは、「日本でどんな活動をしてよいか」を国が定めたルールです。
ポイントは次の2点です。
- 在留資格ごとに「活動内容」が厳格に決まっている
- 職種ではなく“業務内容”で判断される
つまり、「飲食店で働いているからOK」、「正社員だから問題ない」という考え方は通用しません。
技術・人文知識・国際業務(いわゆる“技人国”)とは
制度の目的
技人国は、大学等で修得した専門知識を活かすホワイトカラー向け在留資格です。
単純労働は原則として認められていません。
技人国で認められる業務(飲食業の場合)
飲食業で多いのは以下の業務です。
- 店舗運営・マネジメント
- 売上分析・数値管理
- 商品企画・メニュー開発(理論・企画面)
- マーケティング、広報、SNS運用
- 本部業務、複数店舗管理
👉 「現場作業が主」だと不許可リスクが高いのが最大の注意点です。
原則NGとなる業務
- 調理
- ホール接客
- レジ業務
- 仕込み
- 洗い場
※一時的・補助的であっても、常態化するとアウトになる可能性があります。
要件(学歴・職歴)
- 大学卒業(専攻と業務の関連性が必要)
- または実務経験10年以上(国際業務の場合は3年以上)
特定技能とは?飲食業で急増している理由
制度の目的
特定技能は、人手不足が深刻な産業分野の“現場労働”を認める制度です。
飲食業(外食業)は、特定技能の主要分野の一つです。
特定技能1号と2号の違い(外食業)
特定技能1号
- 調理
- 接客
- 店舗管理
- 清掃
👉 現場作業が全面的に可能
要件:
- 技能試験合格
- 日本語能力試験N4以上
在留期間:
- 通算5年まで
特定技能2号
- 複数店舗管理
- 店舗経営
- スタッフ指導・育成
👉 事実上、管理職レベル
要件:
- 熟練技能試験
- 日本語能力N3以上(外食業)
在留期間:
- 更新上限なし(永住申請も視野)
技人国と特定技能の決定的な違い
| 項目 | 技人国 | 特定技能 |
|---|---|---|
| 主な業務 | 企画・管理・分析 | 調理・接客・現場 |
| 単純労働 | 原則不可 | 可能 |
| 学歴 | 大卒等必須 | 不要 |
| 日本語 | 明確基準なし | N4/N3 |
| 家族帯同 | 可能 | 原則不可 |
| 飲食現場適性 | 低い | 非常に高い |
飲食店が「よくやってしまう」NGパターン
❌ 技人国で採用したが、実際はキッチン中心
❌ 求人票と実態の業務内容が違う
❌ 特定技能なのに支援体制を整えていない
❌ 更新時に業務内容の説明ができない
これらはすべて、不許可・是正指導・最悪の場合は不法就労助長罪につながります。
飲食業専門社労士からのアドバイス
✔ 採用前に「どの在留資格が適切か」を必ず整理
✔ 業務内容を書面で明確化
✔ 入管・労基・社保を一体で考える
✔ 迷ったら「技人国でいけるだろう」は危険
外国人雇用は、「採用できたら終わり」ではなく「採用後が本番」です。
当事務所のサポート内容
当事務所では、飲食業に特化してサポートしています。
- 外国人雇用の事前診断
- 在留資格別の業務整理
- 就業規則・雇用契約書整備
- 入管・労基対応を見据えた労務設計
👉 「この業務、技人国で大丈夫?」
👉 「特定技能に切り替えた方がいい?」
そんな段階から、 お問い合わせフォーム から、お気軽にご相談ください。


