飲食店で起こりやすい労災・ケガ事故とその予防・補償対応


飲食店に多い労災・ケガ事故とは?

飲食業は、他の業種に比べて労働災害(労災)発生率が高い業界です。
その理由は、「火・熱・刃物・油・水」などの危険要素が多く、立ち仕事やスピードが求められる現場だからです。

代表的な労災例:

  • 🔥 やけど事故(油はね、スープ・鉄板など)
  • 🔪 切り傷・刺し傷(包丁・スライサー・缶開け時など)
  • 💦 転倒・滑倒事故(床の水・油・食材)
  • 📦 腰痛・筋肉損傷(食材・ドリンク類の運搬)
  • 🚪 ドア・什器による打撲・挟まれ事故

これらは一見「軽傷」に見えても、労災申請の対象になることがあります。


労災保険の基本をおさらい

労災保険は、業務中・通勤中のケガや病気を補償する制度です。
飲食店の正社員だけでなく、パート・アルバイトも対象となります。

補償内容の例:

  • 治療費(療養補償給付)
  • 休業中の手当(休業補償給付:給料の約8割)
  • 障害・死亡時の給付
    などがあり、会社が全額負担して加入しています。

よくある現場対応の誤り

  • 「軽いケガだから労災にしなくていい」
  • 「アルバイトだから対象外」
  • 「病院で健康保険を使ってしまった」

このような対応は大きなトラブルの原因になります。
後から痛みが長引き「労災申請したい」と言われた場合、会社の報告遅れとみなされることも。


予防のための労務管理ポイント

  1. 危険予知ミーティング(KY活動)の実施
     → 新人やアルバイトにも「危険箇所の共有」を。
  2. 定期的な安全点検のルール化
     → 床の滑り止めマット、油の処理、照明チェックなど。
  3. 教育記録の保存
     → 労災時に「安全指導していた証拠」となります。
  4. ヒヤリハット報告書の活用
     → 軽微な事故を見逃さない文化づくりが重要です。

労災が起きたときの正しい対応フロー

  1. 応急処置・病院搬送
  2. 労災指定医療機関を案内(健康保険は使わない)
  3. 労災書類の提出(様式第5号など)
  4. 労基署へ報告
  5. 再発防止ミーティングの実施

高田馬場労務事務所からのアドバイス

飲食店では、労災発生率が高いのに、制度の理解が浅いケースが多く見られます。
また、アルバイトが多い店舗では、申請書類の不備や報告遅れも起こりがちです。

私たち高田馬場労務事務所では、

  • 現場での安全教育・チェックリストの整備
  • 労災発生時の対応マニュアル作成
  • 労働基準監督署への報告書作成代行

などをサポートしています。

📩 労災・ケガ対応でお困りの方は、📞 お電話や 🌐 お問い合わせフォーム から、お気軽にご相談ください。