失業保険の給付額が増える?申請サポートに要注意【国民生活センター警告】不正受給のリスクと正しい手続き
「失業保険が増える」という甘い言葉に要注意
飲食業では、閉店、人員整理、契約終了、体調不良による退職などにより、失業保険(雇用保険の基本手当)を受給するケースが少なくありません。
その一方で近年、「申請サポートを使えば失業保険の給付額や受給期間が増える」といった広告を見かけたことはないでしょうか。
2025年12月3日、国民生活センターは、こうした「失業保険の申請サポート」に関する消費者トラブルが急増しているとして、正式に注意喚起を行いました。
失業保険(雇用保険の基本手当)とは
失業保険とは、雇用保険制度に基づく公的給付で、仕事を失った人が生活を維持しながら再就職を目指すための制度です。
一般には、失業保険などと呼ばれますが、正式には「基本手当」です。
申請先
- ハローワーク(公共職業安定所)
給付額・給付日数が決まる要素
- 退職理由(自己都合・会社都合)
- 雇用保険の加入期間
- 年齢
- 退職前の賃金
👉 第三者が介入して自由に増やせる制度ではありません
国民生活センターが警告した「申請サポート」とは
全国の消費生活センターには、「失業保険の受給額や期間が増える」とうたう申請サポート事業者に関する相談が急増しています。
年度別相談件数(急増)
- 2021年度:42件
- 2022年度:54件
- 2023年度:113件
- 2024年度:217件
- 2025年度:216件(10月31日まで)
※消費生活センター経由分は含まず
👉 年々倍増レベルで増加しているのが特徴です。
実際の相談事例
①「給付が増えると言われたのに増えなかった」
失業保険の申請サポート契約をしたが、事業者が言っていたような給付金がもらえなかった。費用を支払いたくない。
② 解約しようとしたら高額な違約金
解約を申し出たら、数十万円の違約金を請求された。
③ 不正受給を疑わせる誘導
うつ病ではないのに、指定されたクリニックで診断を受けるようマニュアルが送られてきた。詐欺ではないか不安。
相談事例から見える3つの問題点
① 誇大広告・誤解を招く表現
- 「必ず増える」
- 「誰でも最大〇か月」
- 「成功率100%」
👉 行政手続きに“保証”は存在しません
② 解約トラブル
- 解約不可
- 高額な違約金
- 契約書が極端に不利
③ 不正受給を促す可能性
- 実態と異なる退職理由の申告
- 診断を受けるよう誘導
- 事実でない申請内容の指示
👉 責任を問われるのは申請者本人です。
不正受給のリスクは非常に重い
失業保険の不正受給が発覚した場合、重大なペナルティがあります。
- 受給額の返還
- 最大3倍の納付命令
- 将来の受給制限
- 悪質な場合は刑事責任
「業者に言われたから」は一切通用しません。
飲食業で特に注意すべきポイント
飲食業では、失業保険の判断が微妙になりやすいケースが多くあります。
- 契約社員
- アルバイトから正社員
- 短期離職
- 体調不良退職
そこに「増やせる」、「有利にできる」という言葉が重なると、トラブルに巻き込まれやすくなります。
正しい相談先はここです
- ハローワーク(無料)
- 消費生活センター
- 消費者ホットライン:188(いやや!)
👉 失業保険は「民間サポート」より公的窓口が基本です。
社会保険労務士からのアドバイス
✔ 給付額は法律で決まっています
✔ 「必ず増える」サービスは疑う
✔ 事実と違う申請は絶対NG
✔ 契約前に解約条件を確認
✔ 不安があればすぐ相談
当事務所では、飲食業に特化した労務相談、退職・解雇時の実務整理、従業員からの相談対応アドバイスを行っています。
「このケース、失業保険どうなる?」
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