東京の最低賃金と飲食業への影響|計算方法
2025年10月から全国で最低賃金が引き上げられ、飲食業でも人件費管理への影響が避けられません。
最低賃金を正しく理解し、計算方法を押さえることが経営者のリスク回避につながります。
目次
最低賃金とは?
最低賃金は「1時間あたりの労働者に支払うべき最低額」を国が定める制度です。飲食業ではパート・アルバイトも含めて、すべての従業員に適用されます。
東京の最低賃金はいくら?(2025年10月現在)
2025年10月から、東京都の最低賃金は
👉 1時間あたり 1,226円 になりました。
飲食業ではパート・アルバイトだけでなく、正社員を含めたすべての従業員に適用されます。
最低賃金の計算方法(飲食業経営者向け)
最低賃金は「時間単位」で換算して比較します。
月給制や日給制の場合でも、以下の式で必ず計算する必要があります。
👉 月給 ÷ 所定労働時間(1か月)= 1時間あたりの賃金
【例1:月給20万円の場合】
- 月給:200,000円
- 所定労働時間:173時間(1日8時間 × 21.6日)
200,000 ÷ 173 = 1,156円/時
➡ 東京の最低賃金(1,226円)を 下回るため違法
【例2:月給22万円の場合】
- 月給:220,000円
- 所定労働時間:173時間
220,000 ÷ 173 = 1,272円/時
➡ 東京の最低賃金(1,226円)を 上回るため適法
最低賃金の対象に含まれない手当
最低賃金を比較する際には、「すべての手当」が含まれるわけではありません。
以下は対象外となります。
❌ 通勤手当(交通費)
❌ 残業代(割増賃金)
❌ 賞与(ボーナス)
❌ 固定残業手当(みなし残業代)
❌ 臨時に支払われる手当
👉 したがって、「固定残業手当を含めればクリアしているから大丈夫」という考え方は誤りです。
必ず「基本給+最低賃金の対象となる手当」で計算しましょう。
飲食業で起こりやすい最低賃金トラブル
- 月給制の社員が時間換算すると最低賃金を下回っていた
- 学生アルバイトの日給を時間換算すると不足していた
- 「研修中だから安くしている」が最低賃金を下回っていた
- 固定残業代を含めて最低賃金を満たしていると誤解していた
最低賃金違反が発覚すると、労働基準監督署の是正勧告や、遡及して未払い賃金を支払うリスクが発生します。
飲食業経営者へのアドバイス
飲食業はパート・アルバイト比率が高く、人件費の管理が経営の成否を分けます。
最低賃金を守ることは当然ですが、あわせて 人件費シミュレーション・シフト設計・就業規則の見直し を行うことで、無駄なコストを抑えることが可能です。
高田馬場労務事務所では、飲食業に特化した労務管理のご相談を承っております。
最低賃金のチェック、人件費シミュレーション、賃金制度設計など、実務に直結するサポートをご提供します。
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