退職代行「モームリ」運営会社社長ら逮捕|弁護士法違反とは?退職代行のリスク


退職代行サービスに激震

2026年2月3日、退職代行サービス「モームリ」を運営する会社の社長らが弁護士法違反の疑いで逮捕されたというニュースが報じられました。

近年、特に飲食業界では、若年層の離職、LINEや電話一本での突然の退職、退職代行からの連絡が日常的になりつつあります。

「退職代行はもう当たり前」そう感じていた経営者の方も多いのではないでしょうか。

しかし今回の事件は、「退職代行は何でもできるわけではない」「企業側も正しい知識がなければトラブルに巻き込まれる」という重要な問題を突きつけています。


事件の概要|「モームリ」運営会社社長ら逮捕

報道によると、逮捕されたのは、退職代行サービス「モームリ」運営会社 株式会社アルバトロス社長およびその妻(部長)容疑は弁護士法違反です。

何が問題とされたのか?

警視庁によると、退職代行の依頼者が会社側との交渉(未払い賃金、退職条件など)が必要な場面で、弁護士を紹介その見返りとして依頼者1人あたり1万6,500円の紹介料を弁護士側から受領していた疑いが持たれています。

弁護士の資格を持たない者が、報酬目的で弁護士業務をあっせんする行為は、弁護士法で厳しく禁止されています。


弁護士法違反とは?なぜ違法なのか

弁護士法第72条のポイント

弁護士法では、弁護士または弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で、法律事件に関して、代理・仲裁・和解その他の法律事務を行うことを原則として禁止しています。

また、弁護士を紹介するその対価として金銭を受け取るといった 「非弁提携」 も違法とされる可能性が高い行為です。

「知らなかった」は通用しない

今回、容疑者は「弁護士法違反になるとは思っていなかった」と否認していると報じられています。

しかし、実務上は「知らなかった」では済まされないのが法律の世界です。


退職代行が「できること」「できないこと」

ここが非常に重要なポイントです。

退職代行(民間業者)ができること

✔ 退職の意思を「伝える」
✔ 書類の案内
✔ 事務的な連絡の代行

つまり、「本人の意思の伝達」までです。


退職代行が「できないこと」

❌ 会社との交渉
❌ 未払い賃金の請求交渉
❌ 有給消化の交渉
❌ 退職条件の調整

これらはすべて法律行為=弁護士の業務領域となります。


労働組合型退職代行との違い

一部の退職代行は合同労働組合の形を取っています。

労働組合であれば、団体交渉権があるため、一定の交渉が可能です。

ただし、 実態が伴っていない、 名ばかり組合の場合は、違法性が問題になるケースもあります。


飲食業界への影響|「突然の退職」だけでは終わらない

飲食店では、人手不足、シフト崩壊、突然の退職連絡が経営に直撃します。

さらに、退職代行を通じた不当な要求、法的根拠のない主張、感情的なクレームに対応してしまうと、不要なトラブル・金銭的損失につながります。


企業側が取るべき正しい対応

冷静に「できる・できない」を見極める

退職代行から連絡が来ても、

  • すべてに応じる必要はありません
  • 法的に応じる義務があるかを確認

が重要です。


直接交渉は避け、専門家へ相談

社会保険労務士、弁護士に早めに相談することで、不要な支払い、違法な要求への対応を防げます。


就業規則・雇用契約の整備

トラブルの多くは、就業規則がない、曖昧なルール、口約束から発生します。

「辞め方」まで決めておくことが、今の時代のリスク管理です。


当事務所からのアドバイス(飲食業専門)

当事務所では、飲食店特有のシフト問題、突然退職、退職代行対応、未払い賃金トラブル、問題社員対応について、数多くのご相談を受けています。

✔ 「この要求、応じないとダメ?」
✔ 「退職代行から連絡が来た」
✔ 「弁護士を入れるべき?」

初動対応がすべてを左右します。


退職代行時代の「守りの労務管理」

今回の事件は、退職代行業界、企業側、労働者側すべてにとって大きな警鐘です。

「退職代行があるから仕方ない」ではなく、正しい知識と備えが経営を守ります。


飲食業専門社労士の当事務所までお問い合わせフォーム から、お気軽にご相談ください。