社長1人の会社でも社会保険に加入しないとダメなの?~飲食店オーナーが勘違いしやすい「1人会社」と社会保険の落とし穴~
目次
「社長1人だから社会保険はいらない」は本当?
飲食店を開業したばかりの経営者の方や、これから法人化を検討している飲食店オーナーの方から、よくいただく質問があります。
「社長1人の会社でも、社会保険に入らないといけないんですか?」
「従業員がいなければ、国保でいいですよね?」
結論から言うと、多くの場合、社長1人でも社会保険への加入は“義務”です。
社長1人の「法人」は原則、社会保険の強制適用
社会保険の基本ルール
社会保険(健康保険・厚生年金保険)は、事業所単位で適用されます。
そして法律上、次の事業所は強制適用事業所です。
- 株式会社
- 合同会社
- 有限会社
- その他の法人
👉 人数は関係ありません。
つまり、「 社長1人」、「 役員のみ」、「 家族も雇っていない」このような場合でも、法人である以上、社会保険は原則「加入義務あり」となります。
「社長=従業員じゃないから不要」は誤解
代表取締役でも「被保険者」になる?
よくある誤解がこちらです。
「社長は労働者じゃないから社会保険はいらない」
しかし実務上は、法人と役員は「別人格」、役員報酬を受け取っている、実際に業務に従事している
この場合、代表取締役=健康保険・厚生年金の被保険者になります。
個人事業主との決定的な違い
個人事業なら社保不要?
飲食店を個人事業で経営している場合、社長(事業主本人)は「 国民健康保険+国民年金」となり、社会保険の加入義務はありません。
しかし、個人事業から法人化した瞬間に、状況は180度変わります。
| 区分 | 社会保険 |
|---|---|
| 個人事業主本人 | 不要 |
| 法人の代表取締役 | 原則 必要 |
👉 「1人かどうか」ではなく、「法人かどうか」が判断基準です。
よくある勘違い5選
売上が少ないから加入しなくていい
→ 関係ありません
赤字だから払えない
→ 経営状況は考慮されません
役員報酬ゼロなら不要
→ 実態次第
年金事務所にバレなければ大丈夫
→ 後から問題になることがあります
税理士に何も言われなかった
→ 社会保険は社労士の専門分野です
未加入のままだとどうなる?
最大2年遡って保険料を請求される
社会保険は、最大2年間の遡及加入が行われます。
例)
- 月額保険料:6万円
- 2年分:
→ 約144万円を一括請求
飲食店にとっては、致命的なキャッシュアウトになりかねません。
延滞金・追徴の可能性
悪質と判断されると、「延滞金」、「指導・是正勧告」が入るケースもあります。
融資・助成金で不利になる
- 銀行融資
- 補助金・助成金
- 事業売却・株式譲渡
いずれも社会保険の適正加入は必須チェック項目です。
どうしても保険料が重い場合の現実的対策
役員報酬の設計を見直す
役員報酬=社会保険料の基礎。
✔ 不要に高く設定していないか
✔ 税金・社保のバランスは適正か
社労士×税理士の連携が重要です。
法人化のタイミングを慎重に判断
- すぐ法人化すべきか
- もう少し個人事業で耐えるべきか
飲食業は特に、社会保険料が経営を圧迫しやすい業種です。
飲食業専門社労士からのアドバイス
飲食店経営において、社会保険は「知らなかった」、「税理士に任せていた」では済まされません。
特に、開業直後、法人化したばかり、社長1人会社は、最もトラブルが起きやすいポイントです。
当事務所ではこんなご相談を受けています
- 社長1人会社、今から加入すべき?
- 遡及加入になる?いくらかかる?
- 法人化した方がいい?しない方がいい?
- 社会保険料を抑える設計は可能?
👉 飲食業に特化した視点でアドバイスしています。
まとめ|「1人会社でも社保は原則必須」
✔ 法人なら、社長1人でも原則加入
✔ 個人事業とはルールが全く違う
✔ 未加入は後から高額請求リスク
✔ 早めの判断と専門家相談が重要
社会保険・法人化・役員報酬設計でお悩みの飲食店経営者の方は、お電話や お問い合わせフォーム から、お気軽にご相談ください。


