措置義務違反で求人が不受理に|カスハラ対策を怠るとハローワークに求人が出せなくなる?2026年10月施行
飲食業界では慢性的な人手不足が続いています。
そんな中、「求人が出せない」という事態が現実になる制度改正が進められています。
2025年12月23日付【労働新聞ニュース】によると、厚生労働省は、「カスタマーハラスメント(カスハラ)防止の措置義務に違反した企業について、ハローワーク等での求人を“不受理”にできるという方針を示しました。という方針を示しました。
つまり今後は、「カスハラ対策をしていない」、「相談体制が整っていない」、「相談した従業員に不利益な扱いをした」場合、求人票そのものが受理されない可能性が出てきます。
目次
何が変わる?今回の制度改正の全体像
改正のポイント
今回、厚生労働省が示したのは「職業安定法施行令」の改正案です。
これにより、 ハローワークや職業紹介事業者が、企業の求人を受理しないことができるケースに、次の内容が追加されます。
新たに追加される「不受理」の対象
以下の措置義務違反がある場合、求人が不受理となる可能性があります。
✅ カスタマーハラスメント(カスハラ)防止の措置義務違反
✅ 求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止措置義務違反
✅ カスハラの相談を行ったことを理由とする「解雇」、「降格」、「シフト削減」、「その他不利益取扱い」
施行予定日
📅 2026年10月1日施行予定
※ まだ先のようで、準備期間は実質1年未満です。
なぜ「求人不受理」という強い措置が導入されるのか
背景にある社会問題
近年、特に飲食業界で問題になっているのが、理不尽なクレーム、暴言・威圧、土下座要求、SNS晒しをほのめかす脅しといったカスタマーハラスメントです。
厚労省の調査でも、「顧客からのハラスメントを理由に離職した」という回答が、飲食・小売業で突出しています。
「採用の入口」で是正させる狙い
これまでは、指導、助言、是正勧告が中心でした。
しかしそれだけでは改善されない企業も多く、 「求人を出せなくする」という強いブレーキをかけることで、採用段階から職場環境改善を促す狙いがあります。
飲食店で特に注意すべき「カスハラ」の実態
飲食店はカスハラが起きやすい業種
飲食店は、顧客との距離が近い、即時対応が求められる、アルバイト・若年層が多いという特徴があり、カスハラが発生しやすい環境です。
よくある飲食店のカスハラ事例
❌ 大声で怒鳴る
❌ 「店長を出せ」「責任者を呼べ」の連呼
❌ 従業員の容姿・年齢・性別に関する発言
❌ SNSに晒すと脅す
❌ 土下座・無償提供の要求
経営者が「仕方ない」「お客様だから」と放置すると、措置義務違反に直結します。
「措置義務」とは何をすればいいのか?
法律が求めているのは「結果」ではなく「体制」
重要なのは、👉 カスハラをゼロにすることではないという点です。
法律が求めているのは、予防、相談、対応、再発防止のための仕組みづくりです。
具体的に求められる措置
以下は、飲食店でも最低限必要となる内容です。
カスハラ防止方針の明確化
- 就業規則
- 社内ルール
- 店舗マニュアル
相談窓口の設置
- 店長
- 本部
- 社労士など外部窓口
相談者への不利益取扱い禁止
- シフト削減
- 評価引下げ
- 契約更新拒否
👉 これらはすべてNG
研修・周知
- 朝礼
- マニュアル配布
- 動画研修
措置義務違反があると、どうなる?
求人が出せないという現実的リスク
違反があると、ハローワーク、民間職業紹介事業者での求人が不受理となる可能性があります。
つまり、 採用活動がストップ、 人手不足が深刻化、 既存スタッフの負担増、 離職加速という悪循環に陥ります。
「知らなかった」は通用しない
制度開始後は、「知らなかった」、「うちは小規模だから」は通用しません。
社長1人の会社・個人経営の飲食店も対象です。
飲食業専門社労士からのアドバイス
今すぐやるべき3つのこと
✅ 就業規則・マニュアルの見直し
✅ 相談ルートの明確化
✅ 店長・責任者への教育
特に、**「店長が一人で抱え込む体制」**は非常に危険です。
「形だけ」の対応は逆効果
- 相談窓口はあるが実態がない
- 相談したらシフトを減らされた
- 握りつぶされた
こうしたケースは、不受理リスクを高めます。
当事務所のサポート内容
当事務所では、飲食業に特化して、カスハラ防止規程の作成、就業規則改定、店舗向けマニュアル整備、外部相談窓口対応を一貫してサポートしています。
- カスハラ対策は「努力義務」から「実質的な必須対応」へ
- 措置義務違反=求人が出せない時代に
- 飲食店こそ、早めの対応が不可欠
採用できないリスクを回避するためにも、今から準備を始めましょう。
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