【飲食店経営者必見】ワイン・ウイスキーなど在庫の着服・転売を防ぐための労務管理のポイント
飲食店では、売上金の現金だけでなく、ワイン・ウイスキーなどの高額な在庫を従業員が持ち出して転売するケースが増えています。
特に高級ボトルは市場価値が高く、オークションサイトやフリマアプリなどで容易に現金化できてしまうのが現状です。
こうした「在庫の横領・着服」行為は刑法上の横領罪に該当する可能性があるだけでなく、店舗の信頼を大きく損なう問題です。
本記事では、社会保険労務士の視点から、労務管理面での予防策を詳しく解説します。
目次
🔍 よくあるケース
- 在庫管理が曖昧で、ボトルの数を誰も正確に把握していない
- 店長やシフトリーダーが在庫チェックを行わず「信頼」で任せている
- 従業員割引や試飲制度を悪用して持ち出す
- 経営者が在庫表を確認していない
こうした状況では、悪意ある従業員が在庫を持ち出しても気付くのが遅れます。
⚖️ 労務管理上のポイント
① 採用時の「誓約書」「身元保証書」を整備する
採用時に「金品の不正持ち出しを行った場合は懲戒解雇となる」旨を明記し、
身元保証書を提出してもらうことで抑止力になります。
👉 身元保証書は最長5年(または更新)まで有効です。
不正行為があった場合、保証人に損害賠償請求が可能になるケースもあります。
② 在庫管理の「責任者」と「確認ルール」を明確にする
- 開店・閉店時に、酒類や高額食材の数量を確認
- 定期的に「棚卸し日」を設定し、経営者・責任者がダブルチェック
- 在庫表に日付・確認者の署名を残す
こうしたルールを「就業規則」や「業務マニュアル」に落とし込みましょう。
③ カメラ・POSシステムの活用
監視カメラや在庫連動型POSシステムを導入し、
「誰が・いつ・何を出したか」を可視化することで不正の芽を摘むことができます。
④ 不正発覚時の対応
不正が疑われる場合は、
- 安易に本人を問い詰めず、証拠を確保
- 在庫記録や防犯カメラを確認
- 弁護士・社会保険労務士に相談し、懲戒処分や刑事対応を慎重に行う
感情的な対応ではなく、法的根拠に基づく対応が重要です。
💡 高田馬場労務事務所からのアドバイス
不正防止のためには、
「制度」「記録」「意識」の3つを整えることが欠かせません。
- 制度面:就業規則・誓約書・身元保証書の整備
- 記録面:在庫表・確認履歴の徹底
- 意識面:管理者教育と日々の声かけ
小さなルールの積み重ねが、不正を未然に防ぎます。
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当事務所では、飲食業の労務管理に特化し、「従業員不正防止のルール作り」や「懲戒処分の手続き支援」を行っています。
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