飲食業の休憩について

飲食業では、常にお客様に対応する必要があるため、休憩が取りづらい業種です。
全員が同時に休む「一斉休憩」は現実的ではありません。
その代わりに、個別または交代制で休憩制度することが認められています。


休憩の原則

労働基準法では、一定の労働時間を超える場合、労働者に対して休憩時間の確保が義務付けられています。
これは、長時間労働による疲労やストレスを軽減し、労働者の健康を守るための基本的なルールです。

  • 休憩時間の確保
    労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は1時間以上の休憩をとる必要があります。
  • 労働者の権利保護
    休憩時間は、労働者が業務から離れ、リフレッシュする大切な時間とされており、これにより生産性の向上や安全な労働環境の維持が図られます。

休憩の基本ルール

労働基準法に定められている休憩に関する基本的なルールは、①労働時間の途中に②一斉に③自由利用が大原則です。

労働時間の途中に

休憩は労働時間の途中に与えなければならないという原則です。

したがって、休憩時間を出勤した直後や、退勤間際に与えることは、従業員の同意があっても認められません。

一斉付与

休憩時間は一斉に与えなければならないという原則です。
一斉とは、その事業場にいる全ての従業員が同時に休憩を取ることを意味します。

この原則には2つの例外が認められています。

一斉付与の原則の例外(業種)

まず、次の業種に該当する場合には休憩を一斉に付与する必要はありません。
飲食業はこの業種に該当するので、適用除外の業種になります。

  • 坑内労働の場合
  • 運輸交通業、商業、金融広告業、映画演劇業、通信業、保健衛生業、接客娯楽業または官公署の事業の場合

一斉付与の原則の例外(労使協定)

上記の業種に該当しなくても、労使協定を締結したときは休憩を一斉に与える必要はありません。
労使協定を締結して交代で休憩を与えることが可能になります。

自由利用

休憩は自由に利用させなければならないという原則です。

休憩時間中は従業員の行動に制約を加えることはできず、合理的な理由がある場合に最低限の規制ができることとされています。
なお、休憩時間の利用について事業場の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を害しない限り差し支えないとされています。
たとえば、休憩時間中の外出を許可制としたり、外出する際に会社の制服から私服に着替えるように指示することは、自由利用の原則には反しません。

具体例で見る実際の運用

レストランのシフト休憩

あるレストランでは、厨房スタッフとホールスタッフで異なるタイミングで休憩をとっています。

  • 厨房スタッフ:調理中断が難しいため、作業の合間に短い休憩を複数回に分ける形を採用。
  • ホールスタッフ:お客様のご迷惑やご来店状況に応じて、交代で休憩一時シフト体制を導入します。

ファーストフード店の場合

ファーストフード店では、カウンターでの接客や調理を行うスタッフが、休憩時間を分散して取ることで、常に一定のサービスを維持しています。

  • ポイント:全員が最初に休憩時間と店内が急に人手不足になってしまうため、個々の休憩時間をずらして設定。

飲食業界での休憩運用のポイント

労働者の視点

  • 健康管理:個別休憩でも、十分な休憩時間を確保されているかを確認することが大切です。
  • コミュニケーション:シフトがバラバラになると、情報共有やチームワークに影響する場合があるので、しっかりと連携と当面の工夫が必要です。

経営者の視点

  • 業務効率:業務の連続性を維持しつつ、従業員の休憩が偏らないようにシフト管理を行う必要があります。
  • 法令遵守:労働基準法休憩規定は守りつつも、店舗運営に合わせた柔軟な運営方法を検討しましょう。
  • 従業員の満足度向上:適切な休憩時間の確保は、従業員のストレス軽減やモチベーションアップにつながります。

5. まとめ

飲食業界では、業務の連続性や顧客サービスの観点から、「一斉休憩」がなじまない業種です。
そのため、個別または交代制で休憩暫定運用が一般的となっており、これは法律上も認められている柔軟な対応策です。
従業員の健康管理と店舗運営の効率を両立させるために、適切なシフト管理やコミュニケーションの工夫が求められます。