飲食業の労働時間管理
飲食業は長時間労働やシフト管理の難しさが課題となりやすい業界です。
労働時間の管理を正しく行うことで、従業員の確保率を向上させ、労務トラブルを防ぐことができます。
本記事では、飲食店経営者が守るべき労働時間管理のポイントを解説します。
目次
労働基準法の基本を理解する
労働時間の基本ルール
- 1日8時間、週40時間が原則(法定労働時間)
- 休憩時間は6時間超で45分、8時間超で1時間以上
- 時間外労働・休日労働には割増賃金が発生
<例外的な制度>
1ヶ月単位の変形労働時間制
参考:1か月単位の変形労働時間制で実現する柔軟な労務管理―飲食業での活用事例と成功のコツ
これらの制度を正しく活用することで、店舗運営に柔軟性を持たせることが可能です。
シフト管理
シフトのズレを防ぐ
長時間労働や特定の従業員に負担が偏ると、疲労が蓄積し離職率が上がります。
公平なシフトを心掛けましょう。
時間帯、曜日ごとの適正人員の把握
現状の時間帯、曜日ごとの人員が適切なのかを精査することも重要です。
なんとなくでシフトを組んでいると、余剰人員がいたりピークタイムにお客様を逃すことにもつながります。
短時間勤務者の活用
飲食店ではパート・アルバイトの比率が高いので、短時間勤務者を上手に組み込むことが大切です。
・学生・主婦(主夫)などのライフスタイルに合わせた柔軟なシフト
・ピーク時間(昼・夜)に合わせた人員配置
スキマバイトの活用
パート・アルバイトだけでは人員が不足する場合は、スキマバイトの活用も視野に入れましょう。
そのためには、経験がない方でもできる単純作業とある程度経験がないとできない業務の切り分けが重要です。
シフト管理ツールを活用する
手作業でのシフト管理はミスやトラブルの元になります。
シフト管理ツールを導入することで、以下のようなメリットがあります。
・従業員の希望シフトを簡単に収集・調整できる
・労働時間の計算を自動化、過重労働を防ぐ
・臨時でシフト変更が可能
残業管理と適正な給与計算
タイムカードや打刻システムの導入
労働時間の記録は、未払い残業代の請求トラブルを防ぐために必須です。
紙のタイムカードではなく、デジタルの打刻システムを導入すると便利です。
・スマホやPCで打刻できる勤怠管理システムを活用
・打刻漏れのチェックを定期的に行う
残業時間のルールを決める
残業が常態化すると、コストもかかる従業員の負担も増えます。
・事前申請制にする(勝手な残業を防ぐ)
・定期的に労働時間を見直す
・36協定を締結し、労働基準法に違反しない範囲で運用する
休憩・休日の適正管理
① 休憩時間の確保
飲食店では忙しい時間帯があるため、休憩が適切に取れないケースが多いです。
まとめて休憩が取れない場合、30分の休憩を2回に取るなど分割することも可能です。
なお、休憩は労働時間の途中に取らなければならないので、出勤直後、退勤直前に休憩を入れても、労働基準法の休憩にはなりません。
②休日の確保
年間休日が少ないと離職率が上がる傾向になります。
また、長時間労働の対策としても、休日が増えることで有効になります。
・年中無休の店舗の場合、定休日の設定
・週休2日制の導入(人手不足ならシフト制で調整)
・長時間労働が続いた場合の休日制度を検討
まとめ
飲食店の労働時間管理は、正しいシフト管理が求められます。
・労働時間の法的ルールを押さえる
・公平で柔軟なシフト管理を行う
・勤怠管理ツールを活用してミスを防ぐ
・休憩や休日を正しく確保する
労働環境を整えることで、従業員の定着率が向上し、長期的に安定した店舗運営につながります。適正な労務管理を実践し、働きやすい職場を目指しましょう!