未成年者の給与を親に渡すことは可能か

未成年者であっても、労働契約の締結は未成年者自らが行うことになります。
したがって、給与も、労働者の親権者その他の法定代理人に支払うこと、労働者の委任を受けた委任代理人に支払うことはいずれもできません。

解説

労働基準法第24条で賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を、毎月1回以上、一定期日を定めて支払わなければならないとされています。

この、直接労働者に支払うことを、直接払いの原則といいます。

直接払いの原則の目的は、中間搾取を排除し、労務の提供をなした労働者本人の手に賃金全額を帰属させることです。そのため、労働者本人以外の者に賃金を支払うことを禁止しています。

ただし、使者に対して賃金を支払うことは差し支えないものとされています。

また、労働者本人に事情があり、賃金を受け取れない場合の例外や、裁判所から賃金差し押さえの指示が出ている場合の例外などもあります。